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デビュー個展 『Sur-Vive!』

2016年7月23日~8月23日

ワタリウム美術館地下書店on Sundays

サヴァイヴ展はゲンロンカオス*ラウンジ新芸術校1期成果展「先制第一撃」にて金賞をもらった事で実現したデビュー個展。

​大幅に加筆した《挽歌》(サイズも横5m→6mにアップ)をメインに、新作5点(1点ボツくらった!)と"絵馬"と呼ばれた鳥を描いた小作品600点くらいで構成した。

個展のタイトル「Sur-Vive!」は浅田彰さんが成果展の時に言っていた

「超生(Sur-Vival)」から拝借してます。超人。

一般的にはムキムキで腕力すげぇ奴が強者、力なくボッコボコにされるのが弱者。

でも真の強者ってのはそのどちらでもない。

非力でズタズタにやられてもなお立ちあがる者。防御せずダメージを全部受けトラウマや痛みをものともしない者。それが超弱者であって同時に強者より遥かに強い。

そーゆーやつにならなければならないと僕は思う。

​新作は全て母の自死にまつわるものをテーマに制作しているのでやっぱし暗い印象もあったのだけれど、これを引き受けて描かないと駄目だし今はやれることを全てやろうと思っている。

黒瀬さんのアイデアで個展が私的なモノに引っ張られるのを避けるため海猫沢めろん先生に短編小説「虚宮」の制作をオーダー。

僕の故郷伊勢にある伊勢神宮は内宮と外宮の2つに分かれているのだけど実はもう1つ「虚宮」という社があって・・・・という話。

《盆踊り》は死んだ祖母(真ん中でゴエモンインパクトみたいなやつ)を描いた。祖母は僕を育ててくれたのだけれど、幼稚園の頃脳梗塞で倒れ半身不随になった。その後リハビリを重ね帰宅し、杖をついて歩けるまでに回復した。しばらくした時、家の前の細い道路(速度制限30km、幅5mあるかないかくらい)を渡っている最中、原付に撥ねられた。今度は寝たきりになり言葉もアーとかウーとかしか喋れなくなってしまった。それでも死なず、病院や施設を転々とし、20数年間寝たきりで闘病生活を続けた。

体にチューブが通されあらゆる栄養を体が受け付けなくなるまで延命し続け、その果てに亡くなった。最後の1日はとても穏やかだったそう。闘病中は言葉を話せないから文句も泣き言も言わなかった。

祖母は盆踊りが好きだった。小さい頃、夜の公園へ連れられて盆踊りの練習をしているのを見ていた記憶がある。

盆踊りは死者を迎える踊り。祖母は踊りが好きなんだろうと思っていたけどお葬式の後、母から祖母には水子が2人いたことを聞いた。もしかしたらその死んだ子供のために踊っていたのかもしれないと思うと、その気持ちは今ならよくわかる。

ワタリウム美術館でナムジュンパイク展をやっていたこともあってオンサンデーズにもめちゃくちゃ人が来た。海外からの方も多く

僕は全日在廊し、作品の解説をしまくった。次第に話す内容も鑑賞者の感想を取りこむようになり変化していった。

​《挽歌》はこの1カ月の展示を経て作者である僕の手を離れ、初めて完成を迎えたように思う。