個展 『四月の人魚』

2018年4月6日~4月30日

​五反田カオス*ラウンジアトリエ

​サイズ間違えてやたら大きく作ってしまったDM

『四月の人魚』は僕の個展として開催したけど、フィーチャリングアーティストとして相沢遼一、青木美紅、cottolink、さいあくななちゃん、笹山直規、TYM344、名もなき実昌、藤城嘘、柳本悠花、幸洋子の10名に参加してもらった。

「キュレーションじゃないの?」とか「グループ展?」と聞かれる事もあったけど、あくまで僕の個展、その中で他の作家の力を借りる必要がある箇所があって依頼した。しかし作品に関しては「こんなのを作ってほしい​」といった指示やお願いはせず、かといって投げっぱではなく、テーマについて話をガッツリした上で制作してもらった。なのでラッパーが自分のアルバム作る時に色んなミュージシャンを呼んで作るあの感じが1番しっくりくるな、と思って付けた。

沖杉さんに作ってもらった会場MAP

TARO賞に出した《Oの慰霊》と同じく1986年4月8日に亡くなった岡田有希子さんがテーマ。展示はTARO賞の会期、岡田さんの命日と重なる様に会期を設定した。《Oの慰霊》は岡田さんの死を巡る残された人達と慰霊を描いたものだったけど、こちらでは岡田有希子さんそのものにスポットを当てて作品を作った。

会場は『BARRACK OUT』で秋山さんが作った「ルートを歩く」というやりかたをパクった『Death Line』が良い感じで出来たので

さらにそれを発展させたルート構成にした。

ALI-KA《知蘭我無佛》

柳本悠花《ずぅっと・・・・アイドル》

まず最初に柳本さんの《ずぅっと・・・・アイドル》という墓碑を模したフェルト作品を展示。

墓碑は実際にお墓の隣に設置してあって、彼女が生前残した詩が転写されている。そこには【どうしても画家になりたかった】と記されていて僕はそれを初めて見た時に驚いたと同時に、これなら自分にも何かできるかもしれないと思うきっかけになった。

展示では見えなかった裏面

​会場では「佐藤佳代ゾーン」と呼んでいた

暗い道を抜けるとこの部屋に出れる。

この部屋の作品は全て僕1人で制作したもので、主に岡田有希子さんの死後、彼女の母や出版社の方が出した本【愛をください】に掲載されている彼女が小中学生時代に描いた絵や写真を元に(サンプリングし)僕なりに解釈したもので展示構成している。

ここはアイドルになる前の、まだ(本名の)佐藤佳代さんの時代。僕は全く知らない佐藤佳代という人を知る手立てとして彼女の人生の断片(残されている記録としての絵や写真)を頼りに描くことで疑似的に追体験したように思う。キレイゴト言いすぎかな。

​でも制作を通して「全く知らない人」ではなく親しみを持って考える事ができるようになったのは間違いない。

​弓指寛治《動物園にて》

​弓指寛治《ドローイング》

​弓指寛治《人魚》

​弓指寛治《ケーキ!》

​弓指寛治《花束》

​弓指寛治《レコーディングスタジオにて》

この《レコーディングスタジオにて》は【愛をください】の中に掲載されていた写真をベースに描いた。中学時代にアイドルになることを志した彼女が自らの力で色々な困難を乗り越えてたどり着いたレコーディングスタジオ、その前で撮った1枚でまさに佐藤佳代という女の子から芸名でありアイドルとしての岡田有希子へ変わるその瞬間だろうな、と考えながら描いた。

TYM344《土曜のシネマ(A Cinema on Saturday)》 弓指寛治《ファーストデイト》 TYM344《遠い星(Distant Star)》

最後の部屋。ここは僕を入れて11人の作家がそれぞれ「アイドルとしての岡田有希子」をテーマに制作した作品を展示。僕はこの展覧会を構想している際に最後の部屋では岡田有希子さんの復活を試みたいと考えるようになった。それは彼女が「アイドル」だったことが大きいしアイドルならそれも可能なんじゃないかと思えた。

​会場では「岡田有希子ゾーン」と呼んでいた

新たなイメージとして復活する、それでこの部屋が必要だったし、岡田さんを描くのはぺインターがいいなと思った。

各作家は「キャラクター」「女の子(少女性)」「死」といったものを活動のテーマにしている。だからそれぞれが描く「岡田有希子像」はバラバラでいいと思ったし、変に気を使ったようなポジティブなイメージだけの空間にはしたくなかった。同時に暗いイメージは既にネットの中に溢れているので今更そんなものは描く必要もない(し面白くない)のでそういったところに落とし込まないバランスってのが大事だと思っていた。

それぞれの作家の作品を紹介しようかと思ったけどさすがに長くなりすぎるし、会場で散々説明したのでここではやめとく。​

​みんな端折ってゴメン!めちゃくちゃイカした作品をありがとう。

​弓指寛治《レンゲソウ》

展示の最後に《レンゲソウ》という作品を配置した。僕はこの作品以外は全て本、ネットの画像、写真など岡田さんに関するイメージの元ネタがある作品ばかり作ったけど、これは完全に想像だけで描いた。「アイドルとしての岡田有希子さんの復活」を考えた時に多くの作家に制作してもらう(アイドルへの複数の視線を導入する)だけではまだ足りないと感じていて、自分なりの回答としてこの作品を作った。生前の彼女はドクロのアクセサリーが付いたようなロック調の服を着るタイプのアイドルではなかったけれど、いま岡田さんと「死」のイメージは絶対に切っても切り離せない。それを考えずに「復活」はなんか違うと思い、であればいっそのことそういった負のイメージも一切合財をひっくるめて身に纏い、そしてもう一度マイクを手に取り歌いだす、そんな瞬間の絵がいいんじゃないかなーと思った。背景のレンゲソウは4月8日の誕生花。

岡田さんは花が良く似合う人だと思う。

​弓指寛治《スイスの山々》

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